「日本の窓口」KDDが本日発足 ―― 国際通信の自主独立、新体制でスタート

【東京 3月24日】

わが国の国際通信を一手に担う特殊会社、国際電信電話株式会社(KDD)が本日、正式に設立された。これにより、戦後の混乱期を経て郵政省が直営してきた国際通信事業は、民間の経営感覚を取り入れた新会社へと継承される。電電公社(NTTの前身)の発足から遅れること半年、日本の通信網は国内と国外の二本柱による本格的な近代化の歩みを踏み出した

国際通信の分野は、戦後長らく連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の厳格な管理下に置かれ、日本の自主的な運営は著しく制限されてきた。サンフランシスコ平和条約の発効後、独立を回復した日本にとって、海外との迅速かつ安定した情報伝達手段の確保は、経済復興と国際社会への復帰を果たすための最優先課題であった。今回のKDD設立は、名実ともに「日本の通信主権」を取り戻す大きな転換点といえる。

新会社としての最大の使命は、老朽化した施設の刷新と、増大する通信需要への対応である。現在、海外との通信は短波無線に頼っているが、天候や磁気嵐の影響を受けやすく、不安定さが課題となっている。KDDは今後、海底ケーブルの敷設や、将来的には人工衛星を利用した宇宙通信の導入など、世界最高水準の通信技術を日本へ導入するための牽引役を務めることが期待されている。

設立初日、都内の本社ビルでは記念式典が執り行われ、関係者は「世界と日本を結ぶ『情報の架け橋』として、24時間絶え間なく電波を守り抜く」と決意を新たにした。テレビ放送の開始や外資導入の活発化など、日本が本格的な情報化社会へと向かう中、KDDの誕生は「開かれた日本」を世界へ強く印象づける歴史的な出来事となった。

— RekisyNews 経済面 【1953年】

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