【東京・ニューヨーク 3月5日】
本日、ソビエト連邦の最高指導者ヨシフ・スターリン首相が重体であるとの衝撃的なニュースが世界を駆け巡った。モスクワ放送が「スターリン氏が脳出血により意識不明の状態にある」と報じたことを受け、世界の主要株式市場はパニック状態に陥り、終戦への期待と先行き不透明感から、軍需関連株を中心に記録的な暴落を演じた。
東京証券取引所では、午前の取引開始直後から売り注文が殺到。特に「朝鮮特需」に沸いていた繊維、金属、機械といった軍需関連銘柄が軒並みストップ安となり、日経平均株価は前日比で約10%(37円81銭)も下落する「スターリン暴落」となった。これは市場開設以来、最大級の下落幅である。
ニューヨーク市場やロンドン市場でも同様の動きが見られた。市場関係者の間では、絶対的な権力者であったスターリン氏の不在が、停滞している朝鮮戦争の休戦交渉を一気に加速させるとの観測が浮上。「平和が来れば軍需が止まる」という皮肉な懸念が、投資家を投げ売りへと走らせた。
しかし、暴落の理由は平和への期待だけではない。冷戦の象徴であるスターリン氏の死(公式には重体)は、ソ連内部の権力闘争や、東側諸国の不安定化を招く恐れがある。この「ポスト・スターリン」の不確実性が、世界経済に冷や水を浴びせている格好だ。
夕刻に入り、モスクワからは依然として予断を許さない状況が伝えられているが、一部の情報筋では「既に死亡しているのではないか」との憶測も流れている。一人の指導者の体調が、地球の裏側の株価をここまで揺さぶるという事実は、スターリンという存在がいかに世界秩序の重石となっていたかを物語っている。
明日の市場が落ち着きを取り戻すのか、あるいはさらなる混乱に拍車がかかるのか。世界は今、固唾を飲んでモスクワからの次なる公式発表を待っている。
— RekisyNews 経済面 【1953年】
