【京都 3月1日】
本日、京都市内を走るタクシーにおいて、走行距離に応じて料金を算出する「メーター制」が日本で初めて導入された。これまで運転手と客の交渉や「区間制」に頼っていた料金体系が数値化されることで、不透明な請求を巡るトラブルの解消と、利用者の利便性向上が期待されている。
今回導入された機械式メーターは、車輪の回転数に連動して料金を表示する仕組みだ。京都市内のタクシー会社が足並みを揃えて実施に踏み切った背景には、ガソリン統制が強まる時局下において、適切な運賃収受による経営の安定化を図る狙いもある。
市民からは「これまでは乗る前に値段を掛け合うのが億劫だったが、これからは安心して乗れる」と歓迎の声が上がっている。一方、運転手側からは「端数の計算が細かくなる」といった戸惑いも一部で見られるが、京都の街を走る円タク(一円タクシー)の風景は、この新兵器の登場によって大きく変貌しそうだ。
東京や大阪に先駆けて、古都・京都が「近代的な移動のルール」を取り入れた意義は大きい。この明朗会計の試みが全国へと普及すれば、タクシーは特権階級の乗り物から、より信頼性の高い都市交通の主役へと進化を遂げることになるだろう。
— RekisyNews 経済・社会面 【1938年】
