「命の預金」始まる、日本初の血液銀行が開業 ── 日本ブラッドバンク、大阪に誕生

【大阪 2月26日】

わが国の医療史に新たな礎が築かれた。本日、日本初の民間血液銀行となる「株式会社日本ブラッドバンク」が大阪市北区で営業を開始した。第二次世界大戦後の混乱期、売血や不衛生な輸血が横行していた医療現場に対し、血液を「商品」ではなく「公共の資源」として管理・供給する近代的なシステムの構築を目指す。戦後の復興途上にある日本において、安定的かつ安全な輸血体制の確保は、国民の生命を守る盤石な一手となる。

今回の開業の背景には、外傷治療や手術において不可欠な血液が、依然として「個人間の直接供血」に頼っているという脆弱な現状がある。同社は、血液を保存・蓄積する「血液銀行」の概念を導入。医師や看護師が常駐し、適切な検査を経て採取された血液を冷暗所で管理し、必要とする病院へ迅速に届ける。設立の中心となったのは、元陸軍軍医の内藤良一氏らであり、その組織運営能力と最新の医学知識が、この未踏の事業を盤石なものとした。

現場となった大阪本社の社屋周辺では、朝から多くの関係者が集まり、近代医療の幕開けを祝った。既に近隣の大学病院や外科医院からの問い合わせが相次いでおり、輸血待ちの患者たちにとっての「希望の灯」となっている。ある医師は「これまでは血を分ける人を探すだけで一苦労だった。これでようやく、救えるはずの命を確実に救うことができる」と、期待を寄せて語った。

大阪から始まったこの一歩が、後の全国的な血液供給ネットワークの構築を盤石なものとし、わが国の公衆衛生をいかなる高みへと引き上げていくのか。この組織の誕生は、戦後医療が「技術」だけでなく「社会システム」として進化を遂げる象徴的な瞬間として、歴史に深く刻まれることになる。

— RekisyNews 医報 【1951年】

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