【東京 2月22日】
世界のソフトウェア王者、米国マイクロソフト社が社運を賭けて開発した家庭用ゲーム機「Xbox」が、本日ついに日本での発売初日を迎えた。ソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション2」や任天堂の「ニンテンドーゲームキューブ」が激しく火花を散らす次世代機戦争の渦中、PC市場の覇者が満を持して投入するこの「黒い筐体」は、家庭用機の概念を塗り替える圧倒的なハードウェアスペックを誇り、国内のゲームファンから熱い視線を集めている。
Xboxの最大の特徴は、その心臓部にインテル製CPUを、描画処理にNVIDIA製GPUを採用した点にある。さらに、家庭用ゲーム機としては極めて異例の内蔵ハードディスクを標準搭載しており、大容量データの高速読み込みや、ゲーム音楽の録音機能を備える。また、背面に用意されたLANポートは、将来的な本格オンラインゲーム時代の到来を見据えた設計であり、米本国で進むサービス展開を視野に入れた「リビングルームのハブ」としての野心が透けて見える。ビル・ゲイツ氏が掲げる「デジタルライフスタイル」の実現に向けた、文字通りの戦略的兵器と言えるだろう。
本日早朝の秋葉原や新宿の大型家電量販店では、冷え込みの厳しい中、熱心なファンによる待機列が見られた。正午すぎ、都内で行われた発売記念イベントには、マイクロソフトのビル・ゲイツ会長が自ら出席し、日本向けの限定モデルを予約者に手渡すサプライズも演出された。ある購入者は、その重量感ある筐体を抱え「PC並みのグラフィックがテレビで遊べるのが楽しみだ」と興奮気味に語り、同時発売のキラータイトルを手に足早に帰路についていた。一方で、欧米市場向けの巨大なコントローラーや、本体のサイズ感が日本の住環境に馴染むのかを危惧する声もあり、店頭では慎重に実機を眺める層の姿も散見される。
このXboxの参入が、国内のゲーム産業におけるプラットフォーム競争をさらに過激化させ、ネットワークを介した新しい遊びの形態を定着させるのではないかとの見方もある。PC技術の転用がもたらす開発環境の変化が、今後のソフトウェア開発のあり方に一石を投じると同時に、海外資本の巨大な波が和製ゲーム機の牙城をいかに切り崩していくのか、その覇権争いの行方が鋭く注目される。
— RekisyNews 経済・IT面 【2002年】
