「1株1億円」超えの衝撃 ── ヤフー、東証で史上最高値を記録

【東京 2月22日】

日本の株式市場に、前代未聞の金字塔が打ち立てられた。本日、東京証券取引所の市場第2部において、インターネット検索最大手のヤフー(Yahoo! JAPAN)の株価が一時、1億6790万円という驚異的な最高値を記録した。これは、わが国の証券史上、単一銘柄としては初となる「1株1億円」の大台を大幅に突破する出来事であり、昨年来より続くITバブル(ドットコム・バブル)の熱狂が、いよいよ沸点に達したことを象徴している。

ヤフーは1997年の店頭公開以来、急成長を続けるインターネット広告やオークション事業を背景に、投資家から絶大な支持を集めてきた。特に、既存の産業構造を覆すニューエコノミーの旗手として期待され、実体経済の指標を遥かに上回るPER(株価収益率)を叩き出している。今回の株価急騰は、同社が実施を予定している「1株を2株に分割する」という株式分割への期待感が買いを呼んだ形だが、もはや従来のファンダメンタルズ分析では説明のつかない、未曾有の流動性相場へと突入している。

本日の兜町周辺では、電光掲示板に刻まれた「167,900,000」という数字を前に、証券マンや個人投資家たちが呆然とした表情で立ち尽くす光景が見られた。あるベテランブローカーは「30年この世界にいるが、1株で家が建つような値段は見たことがない」と興奮と困惑を隠せない様子で語り、ひっきりなしに鳴り響く注文電話の対応に追われていた。場外では、ネット関連銘柄に資金を投じる「億り人」の噂が飛び交う一方、異常な加熱ぶりに資産バブルの崩壊を予感し、足早に立ち去る慎重な投資家の姿も散見される。

この記録的な高値が、わが国の金融市場におけるIT産業の地位を不動のものとし、ベンチャー企業への資金流入をさらに加速させるのではないかとの見方もある。実体なき期待先行の投機熱が、市場の歪みを拡大させ、将来的な価格調整において深刻な後遺症をもたらすのではないかとの指摘もなされている。デジタル革命がもたらす新しい資本主義の形態が、この「1億円の壁」の先にどのような景色を描き出していくのか、その行方が鋭く注目される。

— RekisyNews 経済面 【2000年】

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