ジャスコ株式会社設立、量販時代へ一歩

【名古屋 2月21日】

スーパーマーケットを営む岡田屋フタギシロの3社は本日、共同仕入会社としてジャスコ株式会社を設立した。狙いは、各社がばらばらに行ってきた仕入れを一本化し、メーカーや卸との交渉力を高めることにあるという。生活必需品から加工食品、日用品まで取扱いが広がる中、同じ品質の品をより安定して、より有利な条件で確保できるかが勝負どころとされ、関係者は「共同で規模を作る」方針を強調した。

背景として、高度成長で都市部の人口が膨らみ、家計は「まとめ買い」へ傾きつつある。店頭では特売が常態化し、価格だけでなく品ぞろえ、回転の速さ、欠品の少なさが店の評価を左右する。こうした中で、共同仕入は単なる値引き交渉にとどまらず、物流の整流化、在庫の平準化、売れ筋の共有、さらには将来のチェーン化統一企画にもつながると見られる。一方で、3社の商圏や店づくりの違いをどう調整するか、取引先の選別で摩擦が生まれないかなど、運営面の難しさを指摘する見方もある。

設立の知らせが伝わった市中では、各社の担当者が帳面を広げ、定番商品の数量や納品日を確認し合った。荷札の束が机に積まれ、電話口では「来月分をどうまとめるか」との声が飛び交ったという。新会社が共同の力で品と価格の安定を実現できるか、流通の新しい波として注目される。

— RekisyNews 経済面 【1969年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次