「ストックカー」の熱狂、組織化へ ── NASCAR、デイトナで正式に設立

【デイトナビーチ 2月21日】

本日、フロリダ州デイトナビーチにおいて、全米自動車競争協会NASCAR)が正式に設立された。発起人である実業家のビル・フランス・シニア氏を中心に、混迷を極めていたレース界のルール統一と、プロスポーツとしての地位確立を目指した組織的な運営が開始される。

これまで米国内の自動車レースは、各地でバラバラなルールのもと開催されており、不透明な賞金支払いや技術違反が相次いでいた。今回のNASCAR設立により、特に「ストックカー(市販車)」を用いたレースにおいて、厳格な車両規定とポイント制度が導入される。これにより、観客は自分が日常的に乗っている車がサーキットを猛スピードで駆け抜ける姿を、公平かつ安全に楽しむことが可能となる。デイトナビーチのホテルで行われた最終会合には、有力なドライバーやオーナーが集結し、新しい統括組織の誕生を歓迎した。

現場のモータースポーツ関係者によれば、ビル・フランス氏は「全米から最高のドライバーを集め、公平な競争環境を整えることで、レースを野球やフットボールに並ぶ国民的娯楽に育てる」と強い決意を語ったという。戦後の好景気に沸くアメリカにおいて、大排気量のエンジン音と過激な順位争いは、まさに新しい自由の象徴として受け止められている。本日の発表を受け、地元のファンはデイトナの砂浜で行われるスリリングなレースが、より洗練された興行へと進化することに大きな期待を寄せている。

このNASCARの設立が、米国の自動車産業の技術向上を促し、プロドライバーという新たな花形職業を確立させるのではないかとの見方もある。また、企業スポンサーによる大規模な資金投入が、レース界を巨大なビジネスマーケットへと変貌させるのではないかとの指摘もなされている。第二次世界大戦で培われたエンジンの出力向上技術が、平和な時代の「速度の祝祭」へと転換される中、この新組織がアメリカのスポーツ文化にいかなる変革をもたらすのか、その動向が広く注目される。

— RekisyNews 社会面 【1948年】

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