「1分の奇跡」が変える写真の未来 ── エドウィン・ランド氏、インスタントカメラを発表

【ニューヨーク 2月21日】

本日、ニューヨークで開催されたアメリカ光学会において、ポラロイド社の創業者エドウィン・ハーバード・ランド氏が、撮影からわずか1分足らずで現像までを完了させる世界初のインスタントカメラを公開した。暗室も複雑な薬品処理も必要とせず、その場で写真が完成する様子を目撃した科学者や記者たちからは、驚嘆のどよめきが沸き起こった。

ランド氏が披露したこの新しいシステムは、カメラの内部に拡散転写方式を用いた特殊なフィルムと現像液を内蔵している。シャッターを切った後に裏蓋からフィルムを引き出すことで、内部のローラーが液剤入りのポッドを押し潰し、像を定着させる仕組みだ。氏が自らの愛娘の「なぜ撮った写真はすぐに見られないの?」という素朴な疑問から着想を得たというこの発明は、これまで「記録」であった写真を、その場で共有する「体験」へと変容させようとしている。

現場でのデモンストレーションにおいて、ランド氏は自らの肖像を撮影。数秒後にカメラから取り出されたセピア色のプリントは、時間が経つにつれて鮮明な姿を浮かび上がらせた。これまでの写真撮影には、現像所に預けてから数日待つのが常識であったため、この「即時性」はまさに魔法のような出来事として受け止められている。専門家によれば、この技術は報道や医療、軍事利用においても革新的な効率化をもたらす可能性を秘めている。

このインスタントカメラの登場が、プロの技術であった写真を広く一般家庭へと普及させ、視覚文化に多大な影響を与えるのではないかとの見方もある。また、科学的な現像プロセスを機械の中に封じ込めた独創的なアイデアが、今後の光学機器産業の競争を一層激化させるのではないかとの指摘もなされている。第二次世界大戦を経て、豊かさと娯楽を求める戦後社会において、この「魔法の箱」がいかなる普及を見せるのか、世界的に鋭く注目される。

— RekisyNews 科学面 【1947年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次