【ウィルミントン 2月16日】
米国デュポン社の化学者ウォーレス・カロザースが研究を進めてきた新たな合成繊維「ナイロン」について、本日、米国特許が取得されたことが明らかとなった。石炭や石油などを原料とする化学合成によって生み出されるこの繊維は、従来の天然繊維とは異なる特性を持つ画期的な素材とされる。
ナイロンは強度が高く、しなやかで摩耗にも強い。絹に似た光沢と質感を備えながらも、安定した品質で大量生産が可能である点が大きな特徴である。研究チームは高分子化学の成果を応用し、長鎖分子を規則的に結合させることで繊維化に成功したという。
同社関係者は「衣料のみならず、工業用途にも広範な可能性がある」と語り、将来的には織物、ロープ、機械部品などへの応用も視野に入れているとした。天然資源に依存しない人工繊維の誕生は、化学工業の発展を象徴する出来事と受け止められている。
今回の特許取得により、合成高分子研究は新たな段階に入った。化学の力で繊維を創り出す時代の到来が、産業界に大きな波紋を広げそうだ。
— RekisyNews 科学面 【1937年】
