豊田紡織設立──国産紡績業の近代化を担う新会社が発足

【名古屋 1月30日】

本日、愛知県名古屋市において、紡績事業を目的とする新会社「豊田紡織」が設立された。国内産業の基盤強化を背景に、綿糸・織物の安定供給と品質向上を目指すもので、関係業界から大きな注目を集めている。

同社は、発明家として知られる豊田佐吉の技術思想を基礎に、機械化と能率向上を重視した経営方針を掲げる。特に自動織機の導入による省力化は、従来の手作業中心であった紡績工程を大きく変えるものとして期待されている。設立にあたっては地元資本を中心に出資が行われ、地域産業の発展とも密接に結びつく形となった。

現在、国内では繊維製品の需要が拡大しており、軍需や生活物資の双方において安定供給が求められている。そうした状況の中で誕生した豊田紡織は、国産技術による大量生産体制の確立を掲げ、輸入依存からの脱却を目指す象徴的存在といえる。

関係者は「品質で海外製品に劣らぬ製品を送り出したい」と語り、将来的には事業規模の拡大も視野に入れている。新会社の発足は、日本の近代工業が次の段階へ進む節目として受け止められており、紡績業のみならず関連産業への波及効果も見込まれている。

— RekisyNews 経済面 【1918年】

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