雪印食品の牛肉偽装が発覚 BSE対策制度を揺るがす重大不祥事

【東京 1月23日】

牛海綿状脳症(BSE)問題への緊急対策として国が導入した牛肉買い取り制度をめぐり、雪印食品が対象外の牛肉をBSE感染牛肉と偽って申請していた事実が明らかになった。農林水産省および関係機関の調査により、同社による組織的な表示偽装が判明し、食の安全行政に深刻な影響を及ぼしている。

問題となったのは、BSE発生後に消費者不安の沈静化を目的として設けられた政府の全頭買い取り制度である。本来は市場から回収された牛肉のみが対象とされていたが、雪印食品はオーストラリア産などの輸入牛肉を国内産と偽装し、買い取り申請を行っていたとされる。関係書類の改ざんや不正な帳簿処理も確認され、不正は一部社員の独断ではなく、社内の複数部署が関与していた可能性が浮上している。

農林水産省は事態を重く見て、同社に対する立ち入り調査を実施するとともに、刑事責任の追及も視野に入れた対応を進めている。消費者からは「安全を守るはずの制度が逆に悪用された」と強い批判が相次ぎ、流通業界全体への不信感が広がっている。

今回の不祥事は、BSE問題で揺れる日本の食肉行政に追い打ちをかける形となった。食品表示の信頼性と企業倫理が厳しく問われる事態となり、制度設計や監督体制の抜本的な見直しを求める声が高まっている。

— RekisyNews 社会面 【2002年】

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