【ヴォルフスブルク 1月19日】
ドイツの自動車大手 フォルクスワーゲン は本日、同社の象徴的存在である小型車 ビートル の国内生産を終了したと発表した。1936年の構想発表、戦後1945年の量産再開以降、実に42年にわたり生産が続けられてきた国民車が、ドイツ本国の工場ラインから姿を消すこととなった。
ビートルは、空冷水平対向エンジンと独特の丸みを帯びた車体を特徴とし、簡素で堅牢、かつ修理の容易さから世界各地で広く受け入れられてきた。戦後復興期のドイツでは「走る復興の象徴」とも称され、国民の移動手段としてだけでなく、輸出産業の柱として同国経済を支えた存在である。
しかし1970年代に入り、自動車市場では前輪駆動方式や室内空間の拡大、安全性能の向上が重視されるようになり、設計の古いビートルは次第に競争力を失っていた。フォルクスワーゲン社内でも世代交代は避けられないとの判断が強まり、すでに前輪駆動の新型車ゴルフが主力車種として台頭している。
今回の生産終了は、ビートルそのものの終焉を意味するわけではない。今後も海外工場では生産が継続される予定だが、ドイツ本国での製造終了は、戦後自動車史の一時代が確実に終わったことを示す出来事といえる。
— RekisyNews 経済面 【1978年】
