【東京 1月11日】
本日、国内の大手銀行や地方銀行の現金自動預け払い機(ATM)において、日付設定の誤りにより一部の取引が不能になるなどのトラブルが相次いで発生した。原因は、コンピュータが時刻を計る際に生じる「2038年問題」に関連したプログラムの不備と見られており、未だ記憶に新しい「西暦2000年問題」以来の深刻なシステム障害として波紋を広げている。
事態が発覚したのは、連休中日の日曜朝であった。ATMを利用しようとした顧客から「カードが受け付けられない」「取引が中断される」といった苦情が各銀行のコールセンターに殺到。一部の金融機関では、ATMの画面に「2038年」や「1901年」といった、現在とは乖離した日付が表示される異常事態となった。
今回の障害の原因とされる「2038年問題」とは、主に「UNIX(ユニックス)」系のオペレーティングシステムを採用しているコンピュータが、1970年1月1日から起算した経過秒数を32ビットの整数で管理していることに起因する。この数値が上限に達し、桁溢れを起こすのが2038年1月19日であるが、今回のシステムでは、計算過程で特定の計算を行った際に、この上限を前倒しで超過してしまったものと推測される。
都内銀行の窓口を訪れた男性は、「まだ2004年になったばかりなのに、30年以上も先のトラブルで金が下ろせないなんて、現代のコンピュータ社会はどうなっているのか」と困惑した表情で語った。
各行はシステムの修正を急いでいるが、金融庁も事態を重く見て、全国の金融機関に対しシステムの一斉点検を指示。ソフトウェアの設計段階に潜む「時間の壁」が、私たちの日常生活を支えるインフラを脅かす現実が浮き彫りとなった。
— RekisyNews 社会面 【2004年】
