【ジャカルタ 12月18日】
本日、インドネシアはオランダ領ニューギニア(イリアンジャヤ)に対し軍事行動を開始した。同地域は、旧オランダ領東インドから独立したインドネシアが一貫して自国領と主張してきた地域であり、今回の侵攻は両国間の緊張を一段と高める事態となっている。
インドネシア政府は声明で、ニューギニア西部は民族的・歴史的にインドネシアと不可分であり、オランダの統治継続は植民地主義の延長であると主張した。軍は空挺部隊の投入などを通じて拠点確保を図ったとされ、領土回復を国家的使命と位置づける姿勢を鮮明にしている。
これに対し、オランダ政府は主権侵害として強く抗議し、現地防衛体制の強化を進めている。ニューギニアでは先住民の将来をめぐる問題も絡み、国際社会の関心が集まってきた経緯がある。今回の武力行使により、外交交渉による解決は一層困難になるとの見方も出ている。
アジア・太平洋地域では、脱植民地化の進展と冷戦下の勢力争いが交錯しており、今回の事態もその延長線上に位置づけられる。インドネシアとオランダの対立がどの段階で収束に向かうのか、各国は慎重に情勢を見守っている。
— RekisyNews 国際面 【1961年】
