【ヴェルダン 12月18日】
本日、仏東部ヴェルダン周辺で続いてきた独仏両軍による大規模な攻防戦が終結した。年初以来、要塞地帯をめぐって繰り返された戦闘は、双方に甚大な損害をもたらし、近代戦の苛烈さを象徴する戦いとして欧州各地の注目を集めてきた。
この戦いは、独軍が要衝ヴェルダンの攻略を狙って攻勢を開始したことに端を発する。仏軍は「一歩も退かず」との方針のもと、要塞線と砲兵力を駆使して防衛を続け、激しい砲撃と白兵戦が長期にわたり展開された。両軍は地形を奪い合いながら消耗を重ね、戦線は幾度も前後した。
秋以降、仏軍は反攻を強め、失われた拠点の奪回を進めた。独軍も抵抗を続けたが、補給や兵力の消耗が重なり、次第に戦闘は沈静化した。関係筋によれば、この攻防戦だけで膨大な死傷者が出たとされ、軍事的成果以上に人的損失の大きさが各国で議論を呼んでいる。
ヴェルダンの戦いは、戦局全体を決する決定打とはならなかったものの、持久戦の現実を鮮明に示した。今後、各国が戦争遂行の在り方を見直す契機となるのか、その影響が注視されている。
— RekisyNews 国際面 【1916年】
