【ベルギー・マルメディ 12月17日】
ドイツ軍が西部戦線で大規模反攻を開始したアルデンヌ地方において本日、降伏した米軍兵士が殺害される重大事件が発生した。現地で確認された情報によれば、ドイツ武装親衛隊(SS)の部隊が、捕虜となった米軍将兵を銃撃し、多数の死者を出したという。
事件が起きたのは、ベルギー東部マルメディ近郊の交差点付近で、戦闘の混乱の中、武装を解かれた米軍部隊が拘束されていた場所とされる。目撃証言によれば、捕虜の一部が突然機関銃掃射を受け、雪原に倒れた。その後も逃走を試みた者が追撃され、犠牲者は80名を超えるとの情報がある。
この一帯では、ドイツ軍の装甲部隊が突破を急ぎ進撃しており、現場に展開していたのは武装親衛隊所属の戦闘団とみられている。米軍当局は、戦時国際法に明確に反する行為として強い憤りを示し、事実関係の調査を進める方針を明らかにした。
バルジの戦いは、冬季の厳しい気象条件の中で戦線が錯綜し、各地で激しい近接戦闘が続いている。今回の事件は、戦闘の苛烈さだけでなく、捕虜の扱いをめぐる問題を改めて浮き彫りにした。前線の米兵の間では、「降伏しても命が守られない」という恐怖と緊張が急速に広がっていると伝えられる。
連合軍司令部は、戦後に責任の所在を明らかにする必要があるとの認識を示しており、この事件は今後、戦争犯罪として国際的に大きな注目を集める可能性がある。
— RekisyNews 戦争面 【1944年】
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