【スペイン・テルエル 12月15日】
スペイン内戦は本日、新たな重大局面を迎えた。内陣営(共和国軍)がアラゴン地方の要衝テルエルへ大規模攻勢を開始し、「テルエルの戦い」 がついに幕を開けた。冬の厳しい寒気の中、街の外周では銃声と砲声が断続的に響き、住民の多くが避難を余儀なくされている。
共和国軍は夜明けと同時に北・西の複数方面から進軍し、包囲線を形成。司令部は「内戦の主導権を奪い返すための戦略的作戦」としており、アラゴン戦線の均衡を破る狙いがある。一方、国粋派はテルエルを強固な要塞都市と位置づけており、部隊を急派して応戦している。現地では零下20度にも及ぶ寒波が兵士の行動を阻み、凍傷者が続出しているとの報告もある。
テルエルはアラゴン地方南部の交通と通信の要で、双方にとって譲れない拠点だ。市街地周辺では家屋が崩れ、炎が夜空を赤く染める。住民の一人は「この冬に戦いが始まるとは思わなかった。街の将来がどうなるのか全く分からない」と不安を語った。
軍事専門家は、「テルエルの戦いは、戦局の流れを左右する決定的な攻防となる可能性が高い」と指摘している。今後、長期戦となる見通しが強まり、内戦の寒さと激しさがさらに増すことは避けられない。
— RekisyNews 国際面 【1937年】
