【南京 12月13日】
日中戦争の焦点となっていた南京攻略戦は、今日午後、日本軍が南京城内への突入を果たし、市街地の主要拠点を掌握したことで、一応の終結を迎えた。蒋介石政権は既に首都機能を重慶方面へ移しており、城内の国民政府軍部隊は統制を失いながらも各所で抵抗を続けていたが、正午前後には城門周辺の陣地が崩れ、組織的防衛は瓦解したとみられる。
日本軍は明日以降、城内外での残敵掃討に移る見通しであり、広大な城郭と周辺農村には散在する兵の投降・逃散が続くと見られている。現地では、軍紀維持の難しさや住民の避難状況が把握できないまま、各地で混乱を伴う事態が発生しているとの情報もある。一般市民にも被害が及んでいるとの報が続々と伝わり、その実態をめぐってはすでに議論が起きつつあるが、詳細は現段階では確認が困難である。
国際租界や難民区には、外国人宣教師や領事館関係者らが避難民保護に当たっており、城外からは破壊された施設や火災の煙が見えるとの証言が寄せられている。南京の陥落は戦局に大きな転換点をもたらす一方、占領後の治安・統治、民間人保護など、多くの課題を日本軍に突きつけることとなる。
— RekisyNews 国際面 【1937年】
