【南大西洋・フォークランド諸島沖 12月8日】
本日早朝、南大西洋のフォークランド諸島沖で、イギリス海軍とドイツ東洋艦隊が激突する大規模な海戦が発生し、イギリス艦隊が圧倒的勝利を収めた。ドイツ側は装甲巡洋艦を中心とする主力の大半を喪失し、海軍力に深刻な打撃を受けた。
前月、南アメリカ西岸沖でドイツ東洋艦隊(司令官マクシミリアン・フォン・シュペー中将)がイギリス艦隊を破ったばかりで、英政府内では危機感が高まっていた。これを受け、イギリス海軍は本国から最新鋭の巡洋戦艦 「インヴィンシブル」および「インフレキシブル」 を派遣。本日、フォークランド島の港に寄港していたところへドイツ艦隊が接近し、両軍は交戦に至った。
午前、フォークランド島の見張り台からドイツ艦隊接近の報を受けた英艦隊は急ぎ出港。高速の巡洋戦艦を主軸とした追撃戦が始まった。
英艦隊は優れた速力と射程を生かし、ドイツ艦を次々に捕捉。午後にはシュペー中将の旗艦「シャルンホルスト」が沈没し、続いて「グナイゼナウ」も海中に没した。
辛くも逃れた一部の軽巡洋艦を除き、東洋艦隊のほぼ全戦力が壊滅したとみられる。
英海軍の指揮官フレデリック・スターディ准将は、「前回の敗北を雪ぎ、我が艦隊の優勢を示すことができた」と語った。一方で、ドイツ側生存者の救助も進められ、海上では複数の英艦が漂流者の収容を続けている。
ロンドンでは戦況報告が届くと歓喜が広がり、市街地では人々が「艦隊を称えよ」と声を上げた。だが、軍関係者の間では「南大西洋は制圧したが、欧州戦線全体の趨勢には直ちに影響しない」と慎重な見方もある。
本日のフォークランド沖海戦は、南大西洋における制海権を大きく英側へ傾け、ドイツ海軍の海外展開能力を決定的に削ぐ結果となった。
海戦の影響は、今後の大戦の海上作戦に長く影響を及ぼすとみられる。
— RekisyNews 国際面 【1914年】
