【キーウ 12月6日】
本日未明、バトゥ率いる モンゴル軍 が、連日の包囲戦の末にキーウへ総攻撃を加え、夕刻までに主要防衛線を完全に突破した。
激しい攻防の末、キーウは陥落し、長くルーシ世界の中心にあったキエフ大公国は実質的にその存在を失う こととなった。
モンゴル軍は数週間にわたり城壁全周を包囲し、投石器による破壊を続けてきた。防衛側は市民を含む総力戦でこれに応じたが、膨大な兵力と機動力を持つモンゴルの攻撃は止まらなかった。
城壁の一部が崩落すると、騎兵部隊が一気に市内へ突入し、要所に布陣していたルーシ軍を各個撃破した。
市内では、聖ソフィア大聖堂周辺を中心に激しい市街戦が展開された。多くの市民が避難を求めて押し寄せ、修道院や地下室に身を潜める光景が広がった。ある女性は涙ながらに「街が焼け、鐘の音がもう聞こえない」と語り、兵士の一人は「仲間はすでに半数を失った」と肩を落とした。
夕刻、主要防衛拠点がすべて制圧され、モンゴル軍は城内の完全掌握を宣言。
バトゥ軍は進軍の障害となる勢力を排除しつつ、周辺地域への支配を強める構えを見せている。ルーシ諸公国は各地で迎撃の準備を進めているが、圧倒的戦力差の前に前途は険しい。
今回のキーウ陥落は、商業・宗教・文化の中心として栄えてきたこの地にとって 歴史的な転換点 である。
ルーシ世界の象徴ともいえる都市が失われたことは、各公国の政治的結束にも深刻な影響を与える可能性が高く、モンゴルの支配は今後さらに広がるとみられている。
— RekisyNews 国際面 【1240年】
