マカオで大規模衝突“十二・三事件”発生──市街に緊張走り警察と住民が対立

一二・三事件

【マカオ 12月3日】

本日、マカオにおいて、住民団体と警察当局との衝突が激化する“十二・三事件”が発生した。市内の複数地域でデモ隊と警官隊が衝突し、一部では投石や棍棒による応酬も見られ、市街は緊迫した空気に包まれた。

発端は、近郊で進められていた学校建設をめぐり、地元の左派系団体と当局の間に生じていた対立が市街へ波及したことによる。午前中、建設を支援する住民らが市中心部へ行進したところ、警察がこれを解散させようとしたことで一気に緊張が高まり、集会は抗議活動へと転じた。現場に居合わせた商店主は「突然怒号が響き、店の扉を閉める間もなかった」と振り返る。

午後に入るとデモは規模を増し、警官隊との衝突が激しさを増した。広場では、群衆の一部が横断幕を掲げて当局の姿勢を非難し、警察は路地裏に至るまで部隊を展開。煙が上がり、市民が避難する様子も確認された。住民の一人は「騒ぎがどこまで広がるのかわからず不安で仕方ない」と語った。

事件の背景には、近年のマカオ社会における政治的緊張があるとみられる。左派系団体は、学校建設問題を「住民軽視の象徴」と批判しており、支持者は増加傾向にあった。一方、当局側は「公共秩序の維持が最優先」として強硬姿勢を崩していない。

現地政府は夕刻、声明を発表し、事態の沈静化に向け「住民との協議の場を設ける」と表明。また、負傷者の救護と治安確保を目的に、追加の警察部隊を配置したと説明した。市内の主要道路では夜間も警備が続き、住民に対して外出を控えるよう呼びかけが行われている。

本日の“十二・三事件”は、マカオ社会における不満の噴出を象徴する出来事となった。街が緊張に包まれる中、事態収束の鍵は政府と住民の対話に委ねられている。今後の動向が注目される。

— RekisyNews 国際面 【1966年】

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