アウステルリッツで決戦──ナポレオン軍、露・墺連合軍を圧倒的勝利で破る

【モラヴィア・アウステルリッツ近郊 12月2日】

本日早朝より、モラヴィア地方アウステルリッツ(現スラフコフ)周辺において、フランス軍とロシア・オーストリア連合軍が激突した。いわゆる“アウステルリッツの戦い”と呼ばれる今回の会戦で、ナポレオン軍は圧倒的な勝利を収め、連合軍を全面的に撃破した。大陸の勢力図を大きく変える決定的な一日に、現地は今なお煙と叫声が残る混乱に包まれている。

夜明け前、濃い霧が平原を覆う中、ナポレオンは高地一帯を薄く守らせ、あえて弱点を見せる布陣を敷いた。これにより連合軍は「右翼が崩れている」と判断し大規模な進軍を開始。しかしこれはフランス側の誘導であり、連合軍が丘陵を離れた瞬間、ナポレオンは温存していた主力部隊を投入し、中央突破の電撃的反撃を開始した。

午前中には連合軍中央部が完全に分断され、戦列は大きく崩壊。後退するロシア軍の部隊が凍った池へ逃れようとした際、フランス砲兵が砲撃を集中させ、砕けた氷の下に多数の兵士が落ちる凄惨な場面も目撃された。従軍していた一兵士は「霧の向こうで砲声と叫びが入り混じり、世界が裂けるように感じた」と語った。

午後には戦況は決定的となり、連合軍の将兵らは次々と退却を余儀なくされた。現地のオーストリア兵は「今日の戦いは、皇帝の誕生日にふさわしい勝利」と語り、ナポレオンは丘の上から全戦域を見渡し、自軍の統制が崩れないことに満足げな表情を見せた。

今回の勝利は、第三次対仏大同盟に大きな打撃を与えることは確実であり、外交関係にも重大な影響が及ぶとみられる。ウィーン、サンクトペテルブルクでは早くも衝撃の報が広まり、宮廷では緊急の協議が始まったとの情報も入っている。

アウステルリッツの戦場には今なお砲煙の匂いが残り、凍てつく大地の上には多くの負傷兵が運ばれている。士官の一人は「この勝利がヨーロッパ全体に新たな秩序をもたらすだろう」と語ったが、その表情には深い疲労がにじんでいた。

今日の大勝利は、フランス皇帝ナポレオンの軍事的才能を再び示すものであり、ヨーロッパの情勢は今後大きく揺れ動くことになる。

— RekisyNews 国際面 【1805年】

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