米軍、ギルバート諸島タラワ環礁へ上陸 激戦必至の攻防始まる

【タラワ環礁・ベティオ島 11月21日】

太平洋の戦局が転換点を迎える中、アメリカ海兵隊は本日未明、ギルバート諸島タラワ環礁への本格上陸作戦を開始した。上陸地点は要衝ベティオ島。日本軍が強固な堡塁(ほうるい)陣地を築いていたことで知られ、米軍は“最大級の抵抗”を予想していた。作戦は今後数日に及ぶ見込みで、すでに島の周辺では激しい砲炎が上がっている。

上陸前、米艦隊は夜明けとともに艦砲射撃を開始。空母部隊の航空機も加わり、滑走路・高射砲陣地・指揮施設とみられる建物に爆撃が行われた。しかし、日本軍守備隊は依然として多数の火点を保持している模様で、米軍の前進は予想以上に難航している。海岸にはリーフ(礁)が広がり、上陸用舟艇が座礁する例も相次いだ。

上陸した海兵隊部隊は、浅瀬を歩いて進む隊員が機関銃射撃を浴びるなど被害が続出。前線と通信の途絶する部隊もあり、「砂浜は倒れた兵士で埋まった」と語る兵士もいる。指揮官は「必ず橋頭堡を確保し、作戦を完遂する」と述べ、増援の投入を急いでいる。

一方、日本軍は約4,500名規模の守備隊が地下壕・鉄条網・コンクリート陣地を駆使し、徹底抗戦の構えを見せている。海岸線には連続した防御施設が展開され、米軍は上陸初日から極めて厳しい攻撃を受けている。

作戦の成否は、今後の中部太平洋での作戦計画に重大な影響を与えると見られる。タラワを突破できるかどうかは、次の島々への進撃路を切り開く鍵となるため、両軍とも後退の余地はほとんどない。

— RekisyNews 戦況報道面 【1943年】

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