【ディリ 11月12日】
本日、インドネシア統治下にある東ティモールの首都ディリで、独立を求める市民らが行進中、インドネシア国軍(ABRI)による無差別発砲が発生し、多数の死傷者が出る惨事となった。事件は「サンタクルス事件」と呼ばれ、国際的な波紋が広がっている。
デモは、約2週間前に死亡した独立活動家セバスチャン・ゴメス氏の追悼ミサに続いて行われたもので、ディリ市内のサンタクルス墓地まで、数百名の若者らが「独立」や「自由東ティモール」を叫びながら平和的に行進していた。
しかし、行進が墓地に到着する直前、突如として武装したインドネシア軍部隊がデモ隊に向けて自動小銃を乱射。多数の市民が即死・負傷した。目撃者の証言によれば、兵士らは逃げる者や負傷者に対しても容赦なく発砲を続けたという。
現時点での死者数は100名を超えるとの報道もあり、被害の全容は依然として不明。ジャーナリストや国際機関の現地取材は大きく制限されているが、事件の一部始終はポルトガル系記者や海外在住の活動家によって映像記録されており、国外に持ち出された映像が暴力の実態を世界に伝えている。
ポルトガル政府や国際人権団体は強く非難し、国連でも緊急の協議が求められている。インドネシア政府は「武装暴徒への対応」と主張しているが、正当性には疑問の声が上がっている。
この事件は、東ティモール独立運動に対する国際社会の注目を一気に高める契機となる可能性がある。
— RekisyNews 国際面 【1991年】
