十字軍、ヴァルナで壊滅──若きハンガリー王戦死、オスマン帝国の勝利

ヴァルナの戦い

【ヴァルナ 11月10日】

本日、ブルガリア黒海沿岸のヴァルナ近郊にて、ハンガリー王国とその同盟軍から成る十字軍と、オスマン帝国軍との間で大規模な会戦が勃発し、十字軍は壊滅的敗北を喫した。戦場では、若干20歳のハンガリー王ヴワディスワフ3世(ポーランド王ヴワディスワフとしても在位)が戦死し、軍の指揮系統も崩壊。キリスト教連合軍の夢は潰える形となった。

この「ヴァルナの戦い」は、ローマ教皇エウゲニウス4世の呼びかけにより編成された対オスマン十字軍の一環で、ハンガリー総督フニャディ・ヤーノシュが軍の実質的指揮を執っていた。連合軍にはハンガリー、ポーランド、ワラキア(現在のルーマニア)、クロアチアなどの兵力が加わり、ヨーロッパによるオスマン打倒の希望が託されていた。

対するオスマン帝国軍は、若きスルタン・ムラト2世が復位し、約6万人の兵を擁して防衛線を築いていた。戦闘序盤、十字軍は一部で優位に立つも、王自らが無謀にも敵の中央突破を試みたことで孤立し、戦死。王の死が伝わるや否や、士気は崩壊し、連合軍は四散した。

この敗北により、バルカン半島からのオスマン勢力の排除は事実上不可能となり、東欧のイスラム勢力への抵抗は長期にわたって困難を極めることとなった。また、ヴワディスワフ3世の戦死は、ポーランド王位の継承問題にも波紋を広げる可能性がある。

十字軍の潰滅とともに、キリスト教勢力の対オスマン戦略は大きな転換点を迎えている。

— RekisyNews 国際面 【1444年】

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