【オーストリア帝国南部 11月1日】
フランス皇帝ナポレオン・ボナパルトが率いる大陸軍が本日、オーストリア領内への本格的な侵攻を開始した。これは、英・露・墺による第三次対仏大同盟の結成に対抗する形で展開された軍事行動であり、欧州大陸における戦局がさらに激化する見通しとなっている。
大陸軍は先月、バイエルンを通過してライン川を越え、巧みな機動戦でオーストリア軍を各個撃破。先週にはウルム包囲戦で大勝利を収め、マッカ司令官率いる約3万人を降伏させたばかり。今回の進軍はその勝利に続く攻勢であり、ウィーンを含むオーストリア中枢部を直接脅かす展開となっている。
これに対し、オーストリアはロシア軍との合流を急ぎ、決戦体制を整えつつある。皇帝フランツ1世は民衆に対し「祖国を守るため、全力で抵抗する」との声明を発表。両国軍は現在、モラヴィア地方での決戦(アウステルリッツ方面)を視野に入れた布陣を進めている。
なお、英仏両国の海軍が先月トラファルガー沖で衝突し、英海軍が勝利を収めたばかりだが、陸上戦線では依然としてナポレオン軍が圧倒的優勢を保っている。ヨーロッパ全域が緊張の渦中にあり、今後の戦局が列強の運命を大きく左右することは間違いない。
— RekisyNews 世界面 【1805年】
