大西洋で米駆逐艦が撃沈──「ルーベン・ジェームズ」、独Uボートの雷撃により沈没し多数の死者

【大西洋北部 10月31日】

本日未明、アメリカ海軍の駆逐艦「ルーベン・ジェームズ(USS Reuben James)」が、大西洋北部のアイスランド沖にて、ドイツ海軍のUボートによる魚雷攻撃を受け沈没した。乗員のうち115名が死亡、わずか44名が救助されたとされており、第二次世界大戦下で中立国アメリカの艦艇が撃沈された初の事例として、国内外に大きな衝撃を与えている。

ルーベン・ジェームズは、武装商船護衛任務のため大西洋を航行しており、英本国へ向かう補給船団の護衛中に、U-552潜水艦による魚雷攻撃を受けた。艦は前部に直撃を受け、弾薬庫が誘爆、数分で船体が真っ二つとなり沈没したという。乗員176名のうち、大半が逃れる間もなく海中に沈んだ。

事件が発生したのは、アメリカが正式な参戦を表明していない状況下での護衛任務中であり、中立を保つ米国艦船が攻撃されたことは、今後の対独姿勢に重大な影響を与える可能性がある。フランクリン・ルーズベルト大統領は本日中の声明を見送りつつも、「正当な任務中の悲劇」とだけ語った。

なお、ドイツ政府からの正式な見解は現時点で届いていない。だが、これまでの米艦艇の「中立地帯」での行動について、ヒトラー政権はたびたび挑発行為と見なして警告していた経緯がある。

米国民の間では、「もう中立ではいられない」との声が高まりつつある。今後の議会審議や世論の動向次第では、対独関係が決定的に悪化し、開戦に至る引き金となる可能性も否定できない

— RekisyNews 国際面 【1941年】

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