オスマン帝国、連合国に降伏──ムドロス休戦協定により戦闘終結へ

【ムドロス(レムノス島)10月30日】

本日、オスマン帝国はエーゲ海のレムノス島・ムドロス港にて、イギリスを代表とする連合国と休戦協定に調印し、第一次世界大戦からの事実上の離脱を決定した。協定は明日10月31日正午より発効する予定で、これによりオスマン軍と連合軍の間の全戦闘行為が停止される。

このムドロス休戦協定は、イギリス海軍のカルトロープ海軍大将と、オスマン帝国側のフセイン・ルシュディ内閣を代表するリザ・トフク・パシャとの間で締結された。協定の内容には、オスマン帝国内のすべての海峡(ダーダネルス・ボスポラス)と港湾の連合軍への開放、鉄道・軍需施設の引き渡し、連合軍の占領権の承認などが含まれ、帝国主権の大幅な制限が盛り込まれている。

ここ数週間、パレスチナ・シリア方面での敗北や、ブルガリアの降伏により、オスマン帝国の戦局は悪化の一途をたどっていた。首都コンスタンティノープルでは政変が起こり、長年政権を握っていた「統一と進歩委員会」指導部が退陣。講和への道が急速に進んでいた。

この休戦協定により、ドイツ帝国およびオーストリア=ハンガリー帝国とともに中央同盟国を形成していたオスマン帝国は、連合国側の勝利を認めた形となり、帝国の終焉が現実味を帯びてきた。

中東地域の政治地図は今後、大きな転換を迎えると見られており、各地のアラブ民族運動や連合国による分割統治の行方が注目される。

— RekisyNews 国際面 【1918年】

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