熊本で不平士族が蜂起──「神風連の乱」勃発、官軍と激突し鎮圧へ

【熊本 10月24日】

本日未明、熊本県下において旧士族による大規模な反乱が発生した。首謀者は元肥後藩士・林桜園の門弟たちで構成される「敬神党(通称:神風連)」とみられ、熊本鎮台(陸軍駐屯地)への襲撃を敢行。これに対し、政府軍は即座に応戦し、同日中に主要な抵抗は鎮圧された

神風連は明治維新後の急速な近代化や神道軽視、西洋化政策に強い不満を抱いていた士族層を中心に結成されたとされ、国学や儒教に基づく尊皇思想を掲げていた。政府による廃刀令や秩禄処分(武士の俸禄廃止)が導火線となり、「国体を護持せよ」との名目のもと武力蜂起に踏み切った。

蜂起は熊本市内の各所で突発的に始まり、一時は熊本鎮台を混乱に陥れたが、装備と組織力で勝る官軍が即時対応。銃器による掃射や応戦によって、神風連側は多数の死傷者を出し、指導者・太田黒伴雄を含む多くが自刃した。

地元住民の証言によれば、「兵制改革で失職した士族の不満は近年高まっていた。だが、まさかこれほどの武装蜂起になるとは」と語っており、士族層の動揺が地方各地に波及する恐れも指摘されている

政府は早急に秩序回復を図るとともに、他地域への波及を警戒。鹿児島・土佐・長州といった旧雄藩出身者を中心とする政権に対し、地方士族層の反発は今後もくすぶり続ける可能性がある。

— RekisyNews 政治面 【1876年】

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