ハンガリーで政変、親独派が実権掌握──ドイツ軍が「パンツァーファウスト作戦」発動

【ブダペスト 10月15日】

本日、ハンガリー王国の首都ブダペストにおいて、ナチス・ドイツの主導により軍事作戦「パンツァーファウスト作戦」が実行され、摂政ホルティ・ミクローシュによる政権が事実上崩壊。矢十字党のフェレンツ・サーラシが新たに政権を掌握する事態となった。

今朝、ホルティ摂政がソ連との休戦をラジオ演説で発表した直後、ドイツ親衛隊(SS)部隊が王宮を包囲。同時に、ホルティの息子ミクローシュ・ホルティ・ジュニアがドイツ側によって拘束され、これを人質として休戦撤回を迫る強硬な行動に出た。

このドイツ軍の軍事介入は、連合国への寝返りを防ぎ、ハンガリーを枢軸国側にとどめておくためのもので、作戦名は「パンツァーファウスト」(携行式対戦車兵器)に由来している。作戦は周到に準備され、政変は数時間で完了。ホルティ摂政は午後、正式に休戦の撤回を表明し、政治の実権は極右民族主義組織・矢十字党のサーラシ書記長へと移った。

矢十字党は、ナチス・ドイツと同様の反ユダヤ主義的政策を掲げており、今後、ハンガリー国内のユダヤ人や反体制派への弾圧が激化することが懸念される。また、ハンガリー軍も東部戦線への投入が継続される可能性が高く、国民の不安が広がっている。

政変により、東欧戦線の今後の展開はさらに不透明さを増しており、連合国の戦略にも影響を及ぼすものと見られる。

— RekisyNews 国際面 【1944年】

アイキャッチ画像 Bundesarchiv, Bild 101I-680-8284A-37A / Faupel / CC-BY-SA 3.0, CC BY-SA 3.0 de, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=5477371による

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