バンコクで大規模衝突 学生デモに軍が発砲、死傷者多数

【バンコク 10月14日】

本日、タイの首都バンコクにて、政府の独裁体制に反対する学生らの大規模なデモ隊と軍部隊との間で激しい衝突が発生し、街は混乱と悲鳴に包まれた。王宮前広場など市内中心部では軍による実弾射撃や戦車の出動が確認され、数十名規模の死傷者が出ている模様。

発端は今月初旬から続く学生団体による民主化要求運動で、軍政下での憲法不在、政治犯の釈放要求などを掲げて連日デモが続いていた。14日未明、集会はバンコク中心部に数十万人が結集する大規模な抗議へと発展。これに対し、プラパス・チャルサティエン内相らを中心とする政府は「秩序回復のための治安行動」として軍部隊を出動させ、事態は一気に流血の惨事へと転じた。

バンコク大学近くでは戦車が通学路を封鎖し、学生らが投石やバリケードを用いて抵抗。軍はこれに対して催涙ガスと銃撃を併用し、現地からの報道によれば、死者は既に50名を超える可能性があるとされる。病院には次々と負傷者が運び込まれ、医療体制は逼迫している。

混乱を受けて、プミポン国王が介入するとの未確認情報も広がっており、政権上層部では対応を協議中との見方も。

タイは長らく軍人出身の指導者による政権が続いており、言論統制と抑圧的な政治体制に対する若年層の反発が急激に高まっていた。特に大学生を中心とした知識層の動きが目立ち、今回の流血が今後の政情に与える影響は計り知れない。

本日の出来事は「血の日曜日」としてタイ現代史に深く刻まれることになろう。

— RekisyNews 国際面 【1973年】

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