バリ島で大規模爆弾テロ──繁華街のナイトクラブが壊滅、死者200人超す

【バリ島・クタ 10月12日】

本日深夜、インドネシア・バリ島の観光地クタにあるナイトクラブで連続爆発が発生し、大規模な被害が出ている。現地警察および救急当局によると、少なくとも202人が死亡、300人以上が負傷したとされ、過去最悪規模のテロ事件となった。被害者の多くはオーストラリア、イギリスなどからの外国人観光客で、島内は深刻な混乱に陥っている。

爆発が起きたのは午後11時過ぎ。クタ地区の繁華街にある人気ナイトクラブ「サリ・クラブ」の店内で最初の爆発が発生。直後に、通りを挟んで向かい側に停車していた車両が大音響とともに爆発し、一帯が炎に包まれた。火災は近隣の店舗や通行人を巻き込み、現場は焼け焦げた瓦礫の山と化している。

生存者の証言によれば、「突然壁が吹き飛び、炎とガラス片が一面に広がった」と話しており、計画的かつ同時多発的な爆破攻撃の可能性が高い。インドネシア政府はテロとの見方を強めており、国家警察庁は現場から化学物質の痕跡や車両の残骸を押収し、捜査を開始した

ワヒド国家警察長官は記者会見で、「爆発は高性能爆薬を用いたものとみられ、国際的なテロ組織の関与も視野に入れている」と述べた。また、事件後にはイスラム過激派組織「ジェマ・イスラミア」やその背後にいるとされる「アルカーイダ」の関与を指摘する声も各国の治安筋から上がっている。

バリ島は年間数百万人の観光客が訪れるリゾート地であり、今回の事件は地域経済にも甚大な打撃を与えるとみられる。現場周辺は封鎖され、負傷者の搬送や遺体の確認が続いており、地元病院は一時的にパンク状態に陥っている

オーストラリア政府は直ちに外務省危機対策チームを派遣し、自国民の安否確認と帰国支援を開始。インドネシア国内でも治安強化のための特別警戒態勢が敷かれた。

事件の背景と実行犯の特定には時間を要する見通しだが、東南アジアにおけるテロの脅威が現実のものとして突きつけられた衝撃的な事件となった。

— RekisyNews 国際面 【2002年】

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