ケンタッキーに銃声轟く──激戦「ペリービルの戦い」で北軍が辛勝か

ペリービルの戦い

【ペリービル(ケンタッキー州) 10月8日】

本日、ケンタッキー州ボイル郡ペリービル近郊の丘陵地にて、北部合衆国軍(北軍)と南部連合軍(南軍)との間で大規模な戦闘が発生。数時間に及ぶ激しい銃撃戦の末、北軍がなんとか陣地を維持し、戦略的には優位を保った模様である。

この戦闘は、南軍のブラクストン・ブラッグ将軍が率いるケンタッキー侵攻軍が、テネシー方面から北上し、ケンタッキー州内の掌握を狙っていた動きに呼応して勃発。北軍側はドン・カルロス・ビューエル将軍が指揮を執り、急行部隊を集結させて迎撃した。

現地の目撃者によると、午前中から断続的な砲声が鳴り響き、午後には両軍が谷を挟んで肉薄する白兵戦に突入。乾いた大地に銃煙が立ちこめ、双方に多数の死傷者が出たという。負傷兵の搬送にあたった従軍医師は、「これほど激しい衝突は久方ぶり」と疲労の色を隠さない。

北軍は兵力・物資に勝るものの、統制の乱れも見られた模様で、一時は前線が崩壊寸前に追い込まれたとの情報もある。一方の南軍も、現地住民の支持を十分に得られず補給線に課題を抱えており、今回の戦闘で多くの兵力を消耗したと見られる。

ケンタッキー州は中立を標榜してきたものの、両軍にとって戦略上の要衝であり、今後の動向が戦局を左右する鍵となる可能性が高い。ビューエル将軍は戦後の声明で、「この地を敵に渡すことはない」と語り、引き続きケンタッキー防衛の意志を強調した。

戦死者数などの詳細は明日以降、軍当局からの公式発表を待つことになるが、本戦がケンタッキーにおける軍事的均衡を大きく揺るがしたことは間違いない

— RekisyNews 国際面 【1862年】

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