【成都 10月7日】
本日、中国西南部・四川省方面より、中国人民解放軍がチベット東部チャムド(昌都)方面に向けて大規模な軍事行動を開始した。数万に及ぶと見られる部隊が、ラサに通じる要衝を目指して進軍しており、現地ではすでに衝突が発生している模様である。
この行動は、中央人民政府が先月より「西蔵地方の平和的解放」を掲げて進めていた政治交渉が進展しない中、軍事的圧力を強めるものと受け止められている。中国政府は、チベット地域が中華人民共和国の不可分の領土であると主張しており、統一の一環としての措置であると説明している。
一方、チベット側は、1949年の中華人民共和国成立以降、中央との接触を極力避けてきたが、国境周辺への軍の展開には強い警戒を示していた。チャムドは、ラサから東へ約800キロに位置する軍事的・宗教的にも重要な拠点であり、ここを制圧することで、チベット本土への道が大きく開かれることになる。
現地の通信は非常に限られており、戦況や人的被害の詳細は不明であるが、今後の展開次第では、民族・宗教の問題を含んだ深刻な国際的関心事に発展する可能性もある。インドやネパールなど周辺国も情勢を注視している。
— RekisyNews 国際面 【1950年】