【日本海 10月6日】
5日未明、朝鮮半島と本州を結ぶ関釜連絡船「崑崙丸(こんろんまる)」が、航行中に米軍潜水艦の雷撃を受けて沈没した。事故は夜明け前に日本海上で発生し、乗客・乗員あわせて約600人が乗船していたとされる。
海軍筋によれば、早朝の時点で魚雷が命中し、崑崙丸は数十分で沈没。この惨事により544人が死亡し、生存者は60人ほどにとどまっている。死者の中には現職の衆議院議員2名が含まれ、国政への影響も避けられない状況だ。
崑崙丸は本年3月に竣工したばかりの新鋭船で、民間輸送および軍需輸送の両方を担っていた。今回の航行では、釜山発・下関行の定期連絡任務に就いていたとみられる。
軍当局は連絡船の航行ルートや護衛体制の再検討に乗り出しており、戦局の緊張が一層高まる中、市民の間でも不安の声が広がっている。
— RekisyNews 社会面 【1943年】