【パリ ヴァンデミエール14日（10月6日）】
昨日、フランス革命暦4年ヴァンデミエール13日（10月5日）、王政復古を掲げる王党派勢力がパリで武装蜂起し、国民公会の所在地であるチュイルリー宮殿周辺に進軍。臨時政府は即座に戒厳体制を敷き、鎮圧のための軍事行動を発動した。
この反乱は、総裁政府の樹立を目前に控えた不安定な政情の中、10月に予定される選挙制度の改正や、亡命貴族の帰国を望む保守派市民の不満が高まる中で発生したもの。反乱軍は、約2万5千人の市民兵・王党派志願兵で構成され、武器の一部は密かに集められていたとされる。
鎮圧作戦の中心を担ったのは、当時無名だった将校ナポレオン・ボナパルト。彼は、砲兵隊を効果的に配置し、反乱軍に対して「ブドウ弾の洗礼（grapeshot）」とも呼ばれる苛烈な砲撃を浴びせた。これにより数時間のうちに戦況は決し、反乱は完全に鎮圧された。
チュイルリー宮殿前には多数の遺体が横たわり、市民の間に動揺が広がっている。一方、臨時政府関係者は「共和国の正当性を示す勝利」と述べ、治安維持の強化を宣言した。
この日の出来事は、革命後期における共和政府と王党派の最後の大規模衝突とも見られており、軍事的才能を発揮したボナパルト将校の今後にも注目が集まっている。
— RekisyNews 国際面 【1795年】
