【ワルシャワ 10月1日】
ポーランドの首都ワルシャワは本日未明、ドイツ軍により完全に占領された。 9月1日のドイツ軍侵攻以来およそ1か月にわたり続いた「ワルシャワ包囲戦」は、市民と兵士による壮絶な抵抗を経て、ついに幕を下ろした。
ワルシャワはここ数日、ドイツ空軍による容赦ない爆撃と砲撃にさらされ、インフラは壊滅的な打撃を受け、一般市民を含む死傷者が急増。特に9月25日には、1日で爆弾約1,200トンが投下されるという前例のない攻撃が行われた。水道・電気・通信はほぼ断たれ、市民の間には深刻な混乱と絶望が広がっていた。
ポーランド軍の指揮官ユリウシュ・ロムル将軍は、もはやこれ以上の抵抗は無意味であり、市民の命を守るべきと判断し、降伏を決断。昨日9月30日、ドイツ軍との交渉を経て、今朝正式に降伏文書に署名された。これにより、ワルシャワはドイツの支配下に入った。
ドイツ軍は「規律を持った進駐」と主張しているが、市内には略奪や住民拘束の報告も複数寄せられており、緊張が続いている。 一方、イギリスとフランスは依然としてドイツに対して宣戦布告中であり、戦線は今後さらに拡大する可能性もある。
ワルシャワ市内では、家を失った市民が避難所を求めてさまよい、焼け焦げた街角に立ち尽くす姿が散見された。「私たちは戦った。誇りは失っていない」と語る男性の言葉が、焦土と化したこの都市の抵抗の記憶を物語っている。
ポーランド共和国にとって、この占領は国家存亡の危機を意味する。だが、戦いはまだ終わっていない。
— RekisyNews 国際面 【1939年】