キエフ郊外で多数のユダヤ人が虐殺 渓谷「バビ・ヤール」で銃声絶えず

【キエフ 9月29日】

本日未明より、ドイツ占領下のウクライナ・キエフ近郊のバビ・ヤール渓谷において、ユダヤ人を中心とする市民の大量殺害が行われているとの情報が現地住民から寄せられた。市内には朝から断続的な銃声が響き渡り、現場周辺では緊張が高まっている。

数日前、キエフ市内には「全ユダヤ人は9月29日午前8時までに衣類、金品を持参してドクトロフスカヤ通りへ集合せよ」とのドイツ軍の布告が掲示された。集合場所へ向かうユダヤ人の長い列が市内各地で目撃されており、住民の間には不安と動揺が広がっていた。

朝から始まった移送作業は武装した部隊によって行われ、連れて行かれた人々の行方は不明だったが、キエフ郊外の渓谷で銃声が絶えないことから、何らかの処刑が行われている可能性が高い。現場に接近しようとした市民は武装兵に制止され、現地の詳細は確認されていない。

バビ・ヤールは市街地から北西に数キロの地点にある深い谷で、これまでにも小規模な処刑が行われたとの噂が絶えなかった。今回の動員規模はこれまでにない大きさであり、数千人から数万人規模の殺害が懸念されている

なお、現時点でドイツ軍当局からの正式な発表はなく、状況の全容は不明である。市民の間では、さらなる迫害への恐怖が広がっている。

— RekisyNews 国際面 【1941年】

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