【鹿児島・城山 9月24日】
本日早朝、鹿児島市の西部に位置する城山にて、西郷隆盛率いる薩摩軍と政府軍との最終決戦が行われ、西郷ら幹部は自刃、これにより七カ月に及んだ西南戦争が事実上終結した。
政府軍はこの日未明、城山を包囲し、約30分にわたって猛烈な砲撃と銃撃を実施。その後突撃を敢行し、最後まで抵抗を続けていた西郷軍の残党を掃討した。激しい交戦の末、西郷隆盛、別府晋介、桐野利秋ら主だった将兵は相次いで自刃し、指揮系統を失った薩摩軍は壊滅状態となった。
政府の発表によれば、城山で確認された遺体は約300に上り、民間人の被害も一部出ている模様。政府軍はすでに城山全域を掌握し、残る薩摩軍兵の捕縛・救護活動を開始した。
西郷隆盛は、かつて明治維新を主導した立役者でありながら、新政府の方針に異を唱えて下野。その後、武士階級の急速な解体や士族の不満を背景に、今年2月より薩摩にて挙兵し、熊本・大分・宮崎を転戦して政府軍と激しく交戦してきた。だが、兵力・武器ともに優勢な政府軍の前に次第に劣勢に立たされ、鹿児島まで撤退していた。
戦争終結を受け、内務省は明日にも東京での臨時閣議を開き、事後処理や復興政策に着手する見込み。一方、全国各地では士族の暴発を危惧する声もあり、当局は警戒態勢を強化している。
“維新の英雄”として民衆から厚い信頼を受けていた西郷氏の最期に、鹿児島市内は深い沈痛に包まれており、多くの市民が城山方面へ手を合わせに訪れている。
— RekisyNews 社会面 【1877年