【リオデジャネイロ 9月21日】
本日、フランス海軍提督レネ・デュゲ・トルアンが指揮する艦隊が、ポルトガル領リオデジャネイロを占領した。大西洋貿易の中継地として急速に発展してきたこの港湾都市は、欧州諸国の緊張が高まる中、戦争の直接的な標的となった。
艦隊はブラジル沖に突如として現れ、砲撃とともに入港。現地守備隊の抵抗は見られたものの、わずか数時間でリオの要所が掌握され、町はフランスの支配下に置かれた。この作戦は、スペイン継承戦争の一環として実施されたと見られており、フランスが大西洋上の戦略的優位を得ることを狙ったものと分析されている。
リオの市民は混乱に包まれた。火災や略奪の報告は今のところ限定的であるが、主要な貿易商人や植民地当局はすでに人質に取られ、多額の賠償金が要求されているという。また、現地の教会や修道院にも被害が及んだとの未確認情報がある。
レネ・デュゲ・トルアン提督は、これまでにもイングランドやオランダの商船を撃破し、“海の英雄”として名を馳せていたが、今回のブラジル遠征により、その名声はさらに高まることになるだろう。
一方、宗主国ポルトガルはこの報を受けて緊急会議を招集。大西洋上の植民地防衛と貿易路の再編が急務となっている。
ヨーロッパの戦火が南半球にも及び始めた今、リスボンとパリの外交関係はさらに緊張を強めると見られ、南米の植民地経済にも長期的な影響が避けられない情勢だ。
— RekisyNews 国際面 【1711年】
