【リヴォニア 9月21日】
本日、キリスト教化を目的とした北方遠征中のドイツ系騎士団と、現地の異教徒であるクール人およびセミガリア人の連合軍との間で激しい戦闘が勃発した。これは、後に「聖マタイの日の戦い」と呼ばれることとなる。
戦いの舞台は、バルト海沿岸地域の重要拠点であるリヴォニア南部。かねてより現地のクール人・セミガリア人は、異教の信仰を守るためにキリスト教勢力の浸透に対し激しく抵抗していた。一方、リガ大司教の主導により派遣された「剣の騎士団」(リヴォニア騎士団)は、教皇の支援を受け、武力による布教活動を展開してきた。
この日、聖マタイの祝祭日と重なったこともあり、ドイツ系騎士らは「神の導きによる戦い」として出撃。現地の森林地帯にて、重装騎士団と機動力に優れる異教徒の戦士たちが正面から激突した。 双方に多くの死傷者が出たと見られるが、詳細な被害状況は未だ明らかになっていない。
現地の目撃者によると、「空には黒雲が垂れこめ、戦場は血と怒号で満ちていた」との証言もあり、今回の衝突が単なる局地戦ではなく、長引く信仰戦争の新たな段階に突入したことを示唆している。
この一帯はすでに、デンマークやスウェーデンなど北欧勢の影響力が及んでおり、バルト海を巡る勢力争いが今後一層激化する可能性がある。 教皇庁は布教の名の下に軍の増派を検討しているという未確認情報もある。
今後、聖職者と軍人の関係、さらには信仰と武力の境界線を問う声が高まりそうだ。
— RekisyNews 国際面 【1217年】