【ロンドン 9月17日】
本日、連合軍は西部戦線における大規模な空挺・地上連携作戦「マーケット・ガーデン作戦」を開始した。作戦の目的は、ドイツ占領下のオランダを突破し、ライン川を越えてドイツ本土への侵攻路を確保することにある。
この作戦では、まず空挺部隊による橋の制圧を担う「マーケット作戦」が発動され、アメリカ第82・101空挺師団および英第1空挺師団が、オランダ国内の要衝に次々とパラシュート降下を実施。同時に、英第2軍の地上部隊が南から進撃する「ガーデン作戦」が連携して展開されている。
連合軍の作戦目標は、アイントホーフェン、ナイメーヘン、アーネムといった主要都市を連結する橋梁の確保であり、これに成功すればドイツのルール工業地帯への進出が現実味を帯びる。ロンドンの軍関係者によれば、「一気に戦争終結への道筋を描く、決定的な一手」と位置づけられている。
しかし、アーネム方面ではドイツ軍の予想以上の抵抗が報告されており、英空挺部隊は橋頭堡の確保に苦戦している模様。また、一部の降下地点では補給物資の空中投下が風で流され、部隊の分断も確認されているという。
連合軍最高司令官ドワイト・D・アイゼンハワー将軍は、「本作戦の成功は連合軍の勝利を早める」との声明を発表。ヨーロッパ全土がその成否に注目している。
空と陸から一気に敵中深く切り込むこの大胆な作戦が、果たして戦局を大きく転換させるのか。オランダの空に舞うパラシュートが、戦争終結への布石となるかどうかは、今後数日の戦況にかかっている。
— RekisyNews 国際面 【1944年】