【アテネ 9月15日】
本日未明、ギリシャ王国で国軍の一部将校が武装蜂起し、国王オトン1世に対して憲法の制定を要求する動きが発生した。この出来事は、議会制度を欠いた現在の統治体制に対する市民と軍内部の不満が臨界点に達したことを示している。
アテネの王宮前広場には、コンスタンティノス・カネロス大佐を中心とする部隊が展開。彼らは「国民の名のもとに立ち上がった」と宣言し、平和的な手段で憲法の制定を求める意思を強調した。
オトン国王はこの突発的な要求に対し、暴力を避ける意向を表明しつつ、憲法制定の是非を慎重に検討する姿勢を見せている。国王と王妃アマリアの安全は確保されており、今のところ大規模な衝突は報告されていない。
ギリシャは1832年に独立を果たしたが、バイエルン出身のオトン1世による専制的な統治が続いていた。内閣は国王の指名によって構成され、国民の声が届く機会はほとんどなかった。こうした政治体制に対する不満は、特に軍内部や知識層、市民の間で高まっていたとされる。
王宮前では、軍の蜂起を支持する市民が次々と集まり始めており、今後の政局に大きな影響を与えることは確実視されている。
この動きが新たな憲政体制への一歩となるのか、それとも混乱の火種となるのか。ギリシャの民主主義の行方が注視されている。
— RekisyNews 国際部 【1843年】