【ベルリン発/モスクワ発 9月13日】
本日、ドイツ国防軍はヴォルガ河畔の要衝・スターリングラードに対し、全面的な総攻撃を開始。陸軍第6軍を中核とする部隊が市街地へ突入し、旧市街および工業地帯にて激しい戦闘が始まっている。
この進軍は、夏季攻勢「ブラウ作戦」の一環として展開されており、ドイツ軍はすでに周辺の防衛拠点を制圧。9月初旬には空軍(ルフトヴァッフェ)による無差別な爆撃により、街の大半が瓦礫と化し、数千人規模の民間人が犠牲となっていた。
本日の攻撃では、戦車部隊および重砲の支援を受けながら、歩兵部隊が市内北部の製鉄所や貨物駅周辺に突入。ソビエト側もこれに激しく応戦しており、赤軍は一般市民や工場労働者までも動員し、建物一つ一つを巡る近接戦闘に突入しているという。
ドイツ軍の指揮を執るフリードリヒ・パウルス上級大将は、「ヴォルガへの突破口は目前」との声明を発している。一方で、ソビエト国営放送は、「スターリングラードは屈せず、ここを墓場とする」と徹底抗戦の構えを明言。
現在、戦闘は市内の製鉄所地区、クラスノクティアブリ(赤十月)工場やバリカーディ製造所にまで及び、兵士同士の白兵戦が日常化している模様。また、ヴォルガ川対岸への避難民の移送も困難となっており、市民は地下壕や工場跡に身を潜める状態が続いている。
この市街戦が今後の東部戦線の趨勢を左右するとの見方は強く、独ソ双方ともに一歩も引かぬ構えだ。「スターリングラードは名前ではない、これは戦いである」とするソビエトのプロパガンダが象徴する通り、この戦いは単なる戦術戦を超えた象徴的な攻防戦となりつつある。
— RekisyNews 国際面 【1942年】