【アルスフ 9月7日】
本日、十字軍とアイユーブ朝との間で激戦が繰り広げられていたアルスフの戦いにおいて、イングランド王リチャード1世(通称:獅子心王)率いる十字軍が、サラーフッディーン(サラディン)率いるイスラム軍を撃退し、戦術的勝利を収めた。
戦場となったのは、ヤッファへ向かう海岸沿いの要衝アルスフ。リチャード1世は、8月末に奪還したアッコン(アッカ)から南下を続け、エルサレム奪還に向けて進軍を進めていた。
サラディン軍は、砂浜と森林の間に細長く伸びた十字軍の行軍隊列を執拗に襲撃。両軍は数時間にわたり散発的な戦闘を繰り返したが、リチャード王は自ら剣を振るい騎士たちを鼓舞。最終的に十字軍の騎兵による一斉突撃が成功し、サラディン軍は退却を余儀なくされた。
この勝利は、エルサレムへの道を開く上で重要な前進となると同時に、リチャード1世の名声をさらに高めるものとなった。一方、サラディン側は組織的撤退を選び、主力を温存したとされているため、戦争全体の趨勢は依然流動的だ。
アルスフの戦いは、第3回十字軍における最大規模の野戦と位置づけられ、今後の和平交渉や戦略的判断にも大きな影響を及ぼすとみられる。
— RekisyNews 国際面 【1191年】