ドイツ軍、エストニア全土を制圧 バルト三国での影響拡大

【タリン 9月5日】

 ナチス・ドイツは本日、バルト三国の一角であるエストニア全土を占領したと正式に発表した。これにより、ドイツは6月に開始したソ連への侵攻作戦「バルバロッサ作戦」の一環として、バルト地域における軍事的支配をさらに強化したことになる。

エストニアは、1939年の独ソ不可侵条約の密約に基づきソビエト連邦の勢力下に入り、翌1940年に併合されたばかりだった。しかし、今年6月からのドイツ軍の猛攻により、ソ連軍は同地域から撤退を余儀なくされていた。

ドイツ軍はこの占領により、北方からのソ連圧力を抑え、レニングラード(現サンクトペテルブルク)への進軍拠点としての戦略的位置を固めたかたちとなる。現地では一部住民が、ソ連による強制的な集団移送や弾圧の記憶から、ドイツ軍を“解放者”と歓迎する動きも見られるが、一方で、ナチス政権による新たな抑圧を警戒する声も上がっている。

ドイツによるバルト三国の占領が、今後の東部戦線や地域の民族政策にどのような影響を及ぼすか、国際社会は注視している。

— RekisyNews 国際面 【1941年】

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