レーニン、赤色テロを布告――国内反革命勢力に対抗措置を明示

【モスクワ 9月5日】

 ロシア・ソビエト連邦政府の議長ウラジーミル・レーニンは本日、「赤色テロ(Krasny Terror)」の開始を公式に布告した。これは、反革命的な白軍や資本主義勢力、旧帝政派による「白色テロ」への報復措置として行われるもので、国家の防衛と革命の維持を名目に、徹底的な弾圧を宣言する内容となっている。

布告では、敵対するブルジョワ階級および反革命分子に対し、逮捕、投獄、処刑を含む強硬な手段を容認。チェーカー(全ロシア非常委員会)を中心とした治安機関が中心となって、政敵の排除を進める方針が明確に示された。

背景には、8月30日に起きた社会革命党員によるレーニン暗殺未遂事件と、ペトログラードでのボリシェヴィキ幹部ウーリツキーの暗殺事件がある。これらを「革命への攻撃」と位置づけ、政府は一層の警戒と報復措置に動いた。

現地報道によれば、すでに多くの反体制派が拘束され、一部地域では即決裁判を経た銃殺刑も行われているとのこと。革命広報紙『プラウダ』は「革命の敵に容赦なし」と見出しを掲げ、恐怖と引き換えに革命秩序の維持を訴えている。

一方で、国内外からは「国家による暴力の合法化」に対する懸念の声も上がっている。元貴族層や自由主義者だけでなく、革命に加担していた知識人の一部からも、「革命の理念から逸脱している」との批判がくすぶる。

レーニン政権は、過酷な内戦と食料危機に見舞われながら、ボリシェヴィキ一党支配体制の確立を急いでいる。今回の赤色テロ布告は、ロシア革命がより苛烈な局面に突入したことを内外に示す象徴的な一手となった。

— RekisyNews 国際面 【1918年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次