【アメリカ・ポーツマス 9月5日】
日露両国間で続いていた日露戦争は本日、アメリカ・ニューハンプシャー州ポーツマスにて締結された「ポーツマス条約」により正式に終結した。明治政府の全権・小村壽太郎外相と、ロシア帝国のセルゲイ・ウィッテ全権代表によって署名され、1年半にわたる大規模な武力衝突が幕を下ろした。
条約締結の背景には、両国の戦争継続に対する国力の疲弊と、アメリカ合衆国のセオドア・ルーズベルト大統領による仲介がある。和平交渉は8月からポーツマス海軍工廠で行われ、幾度となく緊張の場面を迎えながらも、本日ついに妥結に至った。
条約の主な内容は以下の通り:
- ロシアが韓国における日本の指導権を認める
- 満州からのロシア軍撤退
- 南樺太(北緯50度以南)の日本への割譲
- 旅順・大連の租借権および南満州鉄道の利権譲渡
- 捕虜交換の実施
ただし、賠償金の支払いについては、日本側が強く要求したものの、ロシアの断固たる反対により盛り込まれなかった。この点については、国内世論の反発も予想される。
日本政府は、戦争目的を達成したとして条約内容を評価している一方、国民の間では厳しい犠牲に見合った成果かどうかを疑問視する声も上がっている。特に賠償金が得られなかった点については、今後、政治的影響が避けられないと見られている。
今回の条約締結により、極東アジアにおける列強の勢力図は大きく塗り替えられ、日本は名実ともに国際列強の一員としての地位を固めた。一方のロシアは、内政不安を抱えたまま戦争を終えたことで、今後の国内外における影響も注視されている。
— RekisyNews 国際面 【1905年】