連合軍、イタリア本土へ上陸開始 バイタウン作戦始動

 【ローマ 9月3日】

本日早朝、連合軍はイタリア半島南端のカラブリア地方に対し上陸作戦を実施、ナチス・ドイツと枢軸国イタリアに対する新たな攻勢「バイタウン作戦」が始まった。これにより、イタリア本土に対する地上戦が本格化することとなった。

上陸を敢行したのは英第8軍で、メッシナ海峡を渡ってシチリア島からイオニア海沿岸へと進出。作戦は夜明け前に始まり、数時間のうちに英軍部隊は数か所で橋頭堡を確保。予想に反し、イタリア軍からの激しい抵抗はほとんど見られなかった。

これは、9月3日付けでイタリア王国と連合国との間で秘密裏に休戦協定が調印されたとの報が水面下で流れていることとも無関係ではないと見られている。ムッソリーニ政権崩壊後、バドリオ新政権は対独協調の見直しを進めており、今回の上陸はその政治的変化を軍事的に裏打ちするかたちとなった。

ただし、ドイツ軍はすでにイタリア北部と中部に部隊を展開しており、今後は連合軍との間で本格的な戦闘が避けられない情勢である。ベルリン筋では、イタリアの動向に強い警戒感を示しており、「南方戦線の裏切りには厳正な対応をとる」との声明も報じられている。

バイタウン作戦は、シチリア戦の成功に続く本土侵攻の第一歩として位置づけられており、今後の進軍はナポリ、さらにはローマを視野に入れた広範な攻勢に発展する可能性が高い。地中海戦線は、ここに新たな段階を迎えた。

— RekisyNews 欧州戦況面 【1943年】

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次